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論文要旨

Uono, S., Sato, W., Kochiyama, T., Kubota, Y., Sawada, R., Yoshimura, S., & Toichi, M. (2017). Neural substrates of the ability to recognize facial expressions: A voxel-based morphometry study. Social Cognitive and Affective Neuroscience, 12, 3, 487-495.

表情認識はヒトの社会的相互作用にとって重要な機能であり,この能力や認識する方法には個人差があることが知られている.fMRIを用いた先行研究では下前頭回をはじめとしていくつかの領域が表情刺激に対して賦活することが示されており,これらの領域への損傷は表情認識を障害することが示されている.しかしながら,これらの領域の構造の個人差が表情認識の個人差と関連しているかどうかは明らかにはなっていない.本研究ではこの問題を明らかにするため,参加者の表情認識能力と構造MRIを測定し,両者の関係について調べた.解析の結果,右半球の下前頭回の灰白質体積が表情認識能力と正の相関関係を持つことが示された.この結果は表情認識の個人差が下前頭回の構造の個人差と関連しており,下前頭回が担っているとされる表情模倣の個人差が表情認識に重要な役割を果たすことを示唆する.


関連論文

Uono, S., Sato, W., Kochiyama, T., Kubota, Y., Sawada, R., Yoshimura, S., & Toichi, M. (2017). Putamen volume is negatively correlated with the ability to recognize fearful facial expressions. Brain Topography, 30, 6, 774-784.  

 

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